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堅田 元喜; 茅野 政道; 寺田 宏明; 小林 卓也; 太田 雅和; 永井 晴康; 梶野 瑞王*
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緊急時大気拡散予測システムWSPEEDI-IIの放射性物質の沈着スキームを改良し、環境モニタリングデータと大気・海洋拡散結合シミュレーションによって、2011年3月中の放射性物質の放出量を詳細に再推定した。乾性・湿性沈着スキームの精緻化、霧沈着の導入、粒子状・ガス状ヨウ素の区別等の改良を施したWSPEEDI-IIとSEA-GEARNを用いて、単位放出率(1Bq h)の大気放出を仮定した放射性核種の拡散計算を実施し、陸上の空間線量率、大気中・表層海水中濃度の測定値と計算値を比較することにより大気への放出量を逆推定した。本推定結果から、2011年3月12日午後の1号機ベント時、13日午前の3号機ベント後のD/W圧力低下時、14日午後の3号機水素爆発時、16日午前の3号機D/W圧力低下時の大量放出があった可能性が新たに示された。14日夜間の2号機からの放出は、SR弁開操作後の圧力低下に伴い散発的に起こったとして推定した。15日午後の放出量は減少し、3号機ベントと2・3号機の圧力低下に対応する15日夕方から深夜の放出量が大きく増加した。この推定放出量を用いた大気拡散計算によって、航空機サーベイによる放射性ヨウ素・セシウム沈着量分布が良好に再現された。
堅田 元喜; Held, A.*; Mauder, M.*
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植物葉に直接接触させて葉の電気伝導度を測定するセンサーを用いて、2013年9月から11月においてドイツのアルプス地域の草地サイトで葉の濡れ度を測定した。得られたデータを解析するために、著者らが開発した多層大気-土壌-植生モデル(SOLVEG)を用いた数値シミュレーションを実施した。モデルは観測された葉の濡れ度、正味放射量、運動量・熱・水蒸気・COフラックス、葉表面温度、および土壌温度・水分量の経時変化を良好に再現した。晴天時には、葉の濡れの観測値が日中蒸発によって減少し、夜間は凝結によって増加するという典型的な日変化パターンを示した。一方、降雨・霧・積雪の条件下では、常に葉が濡れている状態が保たれていた。また、気温が低い夜間には、葉表面での凝結とともに凍結が生じ、凍結した水が翌日の早朝に日射によって加熱されて融解・蒸発する現象が観測された。夕方から夜間に凝結が進む際には、葉の濡れ度は相対湿度と相関が高く、蒸発が起こる午前中には風速への依存性が高かった。
堅田 元喜; Mauder, M.*
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われわれが開発した多層大気-土壌-植生モデル(SOLVEG)を積雪および土壌凍結条件に適用可能にするための改良を施した。積雪を厚みを持った層の重なりとして表現するとともに、土壌水の凍結・融解プロセスをモデル化した。湿り雪(不飽和状態)の水移動を詳細に再現するために、毛管上昇および重力排水の両方による水移動を考慮した。モデルの再現性をドイツのアルプス地域の草地フラックスサイトで検証した。改良したモデルは、観測された地表面熱フラックス,アルベド,積雪深,積雪表面温度、および土壌温度・水分量の時間変化を再現した。特に、観測に見られた融雪後の土壌水分量の急激な増加が計算結果にも見られた。また、アルプス地域で見られる典型的な乾燥した熱風(フェーン)が通過した際に雪面上で観測された大きな下向き顕熱および上向き潜熱フラックスも、シミュレーションによって再現された。
北村 哲浩; 山口 正秋; 佐藤 治夫; 油井 三和
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東京電力福島第一原子力発電所の事故後に福島県浜通り側の土砂及びセシウム137分布を予測する解析モデルを開発し、福島県浜通り側に存在するダム湖内の土砂及びセシウム137の移動及び堆積をシミュレートした。土砂及びセシウム137の各ダムの集水域での年間流亡量、ダムへの流入量、堆積量及び海洋放出量を算出した。
佐藤 治夫; 新里 忠史; 田中 真悟*; 阿部 寛信; 青木 和弘
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本調査研究は、2011年3月11日に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故に対する対応策の1つとして政府が進めている放射線量等分布マップの関連研究の1つとして実施した。地中深さ方向の放射性物質の分布状況に関する2次調査を、事故から約3か月後の2011年6月に実施した1次調査に引き続き、事故から約1年後の2012年2月から3月に実施した。深度50cm程度までの土壌コアー試料を川俣町及び浪江町の11地点で採取し、Cs-137とI-131の収脱着試験、CECやAEC測定、XRDによる鉱物分析を3種類の土壌(砂質,粘土質,有機質)とそれらの水簸分級成分(粘土,シルト,砂)について実施した。分析の結果、Cs-134及び137が全ての地点で、Ag-110mが空間線量率の高いエリア(浪江町赤宇木以東)でごくわずかに検出された。Csの深度分布は、砂質土壌を支持層とした地表面土壌については表層5cm以内にインベントリーの95%以上が、表層10cm以内に99%以上が存在し、有機質土壌や元農地と推定される土壌については表層16cm以内にインベントリーの95%以上が、表層20cm以内に99%以上が存在していた。粘土質土壌及び有機質土壌を支持層とする土壌、特に有機質土壌において、1次調査と比較して深部へ進展する傾向が見られた。有機質土壌とそれらの分級成分に対するCsの分配係数も他の土壌やそれらの分級成分よりも低く、深度分布の傾向と整合的である。
山田 進; 板倉 充洋; 奥村 雅彦; 町田 昌彦; 北村 哲浩
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本発表は福島長期環境動態研究(F-TRACE)の一環として実施した2次元河川シミュレーションコードを用いた福島県の大柿ダムでの放射性セシウムの流動及び堆積分布予測に関する研究についての報告である。放射性セシウムは土砂(粘土)に吸着し、土砂とともに移動することから、土砂の振る舞いを知ることで放射性セシウムの移動を予想できると考えられる。そこで、河川シミュレーションコードNays2Dを並列化し、洪水時の大柿ダム内の流れのシミュレーションを原子力機構のBX900で実施し土砂の振る舞いを予測した。特筆すべき成果は、ダムの排水口の高さを低くすることで、土砂の多くがダム内にとどまらず流出するが、高くすることでダム内に多くとどまることを示したことである。この結果は、ダムの水位を適切に調整することでセシウムの拡散を防げる可能性があることを示しており、住民の被ばくの低減に資する成果である。
奥村 雅彦; 中村 博樹; 町田 昌彦
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福島第一原子力発電所事故によって環境中に放出された放射性セシウムは地表の土壌に吸着し、それが主な原因となって、多くの避難住民が避難を余儀なくされている。現在、避難住民の帰還に向けて、表土剥ぎ等の大規模な除染が進んでいるが、その際に出る膨大な量の除去土壌の処理が新たな問題となっており、除去土壌の減容化が望まれている。しかし、減容化のための技術は未だ確立していないのが現状である。その原因の一つは、ミクロレベルでの土壌へのセシウム吸着機構が明らかになっていないことにある。そこで、我々は、土壌の構成成分のうち、特異的吸着を示すことが知られている、風化した雲母類粘土鉱物のモデルを計算機上に構築し、第一原理計算(密度汎関数法)を用いて吸着機構の解析を行った。その結果、風化してできた雲母類粘土鉱物内の原子レベルの空洞が、セシウムイオンのイオン半径と適合することによって、吸着が起こることが分かった。この結果は、土壌へのセシウム吸着の基礎的な科学的知見として、今後の除去土壌の減容化に関する技術開発に役立てられることが期待される。
町田 昌彦; 山田 進; 板倉 充洋; 奥村 雅彦; 北村 哲浩
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河川河床土への堆積による放射性セシウムによる再汚染は、福島第一原子力発電所事故以降、福島県での環境修復にかかる中心的課題である。実際、遠隔操作ヘリによるモニタリングや直接の土壌直上での観測によって、河川敷での近くの線量と比べて増加している様子が確かめられており、かつ、福島沿岸域での2, 3の河川においては、上流域が高汚染地帯であることから、その増加傾向は顕著である。この状況が発生する機構を明らかにするため、2次元の河川シミュレーションコードiRICを用いて、土砂の堆積シミュレーションを行った。シミュレーションでは、洪水時に水位が上昇し、河川敷に達することから、洪水時の増水時間プロファイルを仮定し、土砂の堆積状況を解析した。発表では、どのようなメカニズムで河川敷堆積が起こるか、そして、河川敷での植生の影響等を明らかにする。
大貫 敏彦; 坂本 文徳; 香西 直文; 山崎 信哉*; Yu, Q.
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単細胞真核生物である酵母へのCsの濃集について、寒天培地法を用いて検討した。放射性Csを含む培地で生育した酵母のオートラジオグラフィー像から、放射性Csが細胞内に取り込まれるのを確認した。培地に鉱物を添加したところ、鉱物により酵母への濃集量は異なった。添加鉱物の違いによる濃集濃度の序列は、添加鉱物のCsに対する分配係数の逆数の序列と同じになった。この結果から、酵母は、鉱物との競合反応により放射性Csを濃集することが分かった。